個人邸2

住む人の安らぎや愉しみとして、植物や草花を植え、花壇を作り、池や石を配したりする庭。
敷地に応じて広さや造作も様々で、大人が愛でる庭から幼い子どもの遊び場まで色々です。

【O様邸】

四季を感じる庭をテーマにシャラノキ、キンモクセイ、エゴノキ、ツバキ、モミジ、西洋シャクナゲなど使用。庭石、ゴロ太石、砂利にて小さな流れを表現。手前の島に樹木を植え、遠近法により奥行きを出しています。中央部の御影反り橋が景を引き締めています。

二階の中庭に軽量客土を搬入して道しるべ型灯篭、九頭龍垣、自然石水鉢を組み合せ蹲踞(つくばい)のある庭に、植木はウメ、ヤマモミジを植え、根締めには杉苔を貼り、シンプルで明るい感じに仕上げました。

【I様邸】

主庭は錆御影石を横長方向に並べて幅広さを表現し、飛石へと繋ぎ、更に木曽石の延段を曲げて、飛石、柚木型灯篭へと続きます。左側手前の松、庭石、伊勢五郎太石の州浜がより一層の奥行きを創り出しています。

既存の餅つき用石臼を、濡れ鷺型灯篭の笠の上に据え、蹲踞(つくばい)を創り、後ろには光悦寺垣を置き、景を引き締めています。

【M様邸】

右手前に蹲踞(つくばい)を組み、その横に趣のある水蛍灯篭を据え、庭の景を引き締めています。曲線的な地模様に沿うように飛び石を千鳥打ちして、美濃白川砂利を敷き、端正で奥行ある景を作りました。一番奥には棗型水鉢を用い縁先手水鉢を創り重厚感を出しています。

龍門瀑のある庭「鯉が滝を昇りつめて龍と化す」という禅の思想を表現した枯滝石組(水を落とさない象徴的な滝)鏡石(水が落下する趣を象徴するため立てる石)を据え石組を行いました。鏡石下中央に鯉魚石(鯉に見立てた石)を据え、廻りには滝の勢いを表すため大きな五郎太石を敷いています。役木(滝障りの木)としてモミジを植え風情のある景を創り出しています。滝石組の石の天端には、縁起物(石製)カエル(無事帰る)フクロウ(福郎、不苦労)を置き荘厳の中にも心和む空間を創り出しています。

※龍門瀑
中国の黄河の中流域にある「竜門」の滝がそうであるとされています。伝説によると、その三段の竜門の滝を無数の鯉が滝登りに挑戦し、最後まで登りきった鯉だけが竜になるという伝説です。ここから「登竜門」という故事が生まれ、大きな関門や試験などを意味するようになりました。「鯉のぼり」のルーツもやはりこの「竜門」にあるとされています。三段の巨大な滝を登るように出世をしてほしい、元気に活躍してほしいという親から子への願いを込めて鯉のぼりを泳がせるのです。吹き流しは竜門の滝の流れを表しているようです。
龍門爆と鯉魚石のおある主な庭園
天龍寺、西芳寺、金閣寺

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